五能線はゆっくり、深浦はヒュックリ。

狭い空地にぽつんと建つ、小さな小さな無人駅。
窓のすぐ向こうは線路を隔てて日本海だ。
その名も、車が3台の「轟木」ではなく、馬が3頭の「驫木」駅
モータリゼーションも素通りしていったようなこの不便な駅が、今多くの人の心を捉えている。 この日もたまたま、NHKの番組でここを知ったという横浜からのカップルが訪れていた。
室内のベンチには驫木駅のファンの人たちが書き残していく数冊のノートが置かれている。

「驫木駅に来ました。余計なものは何もありません。来た甲斐がありました。ここで落ち着けそうです。」(平成18年12月)
「訪駅8回目、相変わらず何もない。しかし、それがこの駅のいい所だ」(平成19年2月)
「高2の17歳に一度来ました。今53歳、もうすぐ定年です。ちょっと若い時の事を想い出しました。ありがとう」(平成19年3月)

・・・ベンチやプラットホームで、停まらない列車を見送ったり、ぼんやりと夕陽が海に沈むさまを眺めているうちに、 ヒュックリという言葉が浮かんできた。
デンマーク語で「何気なく心地よい」というほどの意味だが、ゆるやかな時の歩みの中で、驫木駅が多くの人を引き付ける理由が少し分かった気がした。

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NOTES

驫木駅

青森県西津軽郡深浦町大字驫木にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)五能線の駅です。臨時列車の快速「リゾートしらかみ」は通過し、五能線の普通列車のみ停車します。...続きを読む